教育県広島は再生できるか(平成6年)


 学校というのは、子供の教育をするところですから、立派な先生がいて、立派な社会人となるための知識や礼儀作法が正しく指導され、子供達が活き活きとした理想的な小社会が創り出されていて、たとえ一般社会が混乱していても子供達のためになる聖域が保たれているものとと思っていました。


そして、毎日子供達が元気で通学してくれさえしたら、国家の責任において、その子供たちの能力を十分にのばして社会に役立つよう成長することを保障してくれているものと考えていました。しかし、PTA会長を引き受けてみて「これはおかしいぞ」と思ったのは、先生方の信じられないような異常な行動に、我が目を疑うようなことが度々あったからです。

我が校PTA会長の方から、学校内での先生の不審な行動に対する苦情がたくさん寄せられていました。教育行政の弱腰と、他団体の力を借りて活動する組合教師の強力な運動の前に、校長と教育委員会が何も出来ない状況となっていたこと、そしてそのことが、子供たちに学力・体力の低下を招き、学習意欲を失わせる悪い影響を与えていることなどが強く指摘されました。学校での学力の低下を補うものは言うまでもなく、林立する塾であり、塾通いは子供達から自由時間を余分に奪い、高額な費用が家計を圧迫しています。

 

それなのに、皆さんはなぜ黙っているのでしょうか。

 

それは実態をお知りにならないからです。

 

 この本は、具体的に学校教育の混乱の実態とその原因をお知らせしようとするものです。事実ばかりですから誰も否定することはできません。私は法治国家の一員として、法律の基づいた見地からこの本をまとめたもので、特別な意図をもって皆さんに読んでいただこうとは思いません。公正な判断をしていただいて、次代を担う可愛い私達の子供達のために、ぜひ立ち上がっていただきたいのです。

 

「教育県広島」を再生するために!